サイディングボードは板状の外壁材を胴縁(どうぶち)に釘・ビスもしくは金物などの止め具を用いて固定、貼り付けてゆく外壁材です。
左官仕上げなどと比べ施工時間が短縮でき製品価格も比較的安価なので近年の住宅建築物の外壁仕上げ材の上位を占めています。
工場生産品であるサイディングボードはその材質によって窯業系・金属系・木質系・プラスチック系などの種類があります。
このうち最近の住宅建築物で採用されている中において圧倒的に多いものが窯業系で次いで金属系のものとなっています
(左写真は新築住宅現場の窯業系サイディングボード外壁施工中の様子。既塗装品によるもの)
製品である窯業系サイディングボードは工場出荷時に仕上げ塗装を施したものと無塗装の製品があります。
新築住宅の外壁材などに採用されている製品は既塗装品が大半で現場での塗装仕上げが不要のものです。いっぽう無塗装品はサイディングボード素地が完全に無垢のままであるもののほか、
仕上げ塗装を行えるように出荷時に下地処理材のプライマー(シーラー処理)が塗布されているものとがあります。これらは施工現場に於いて何らかの
塗装仕上げがされることが前提となっており、壁面用のサイディングボードのほか外装部位の破風板・幕板や軒下部分への使用がよく見られます。
(左写真は増改築リフォーム現場における窯業系ボード類の破風板と軒天部分への使用例。無塗装品によるもの)
既塗装品の製品品質は近年、格段に向上してきており水分吸水を起こし難い構成素材とシリコン・フッソ系の塗料を用いた塗装仕上げなどによって製造メーカー 公表値で耐用年数は20年以上と言われています。(左写真はフッソ系塗料仕上げの既塗装品)塗替え塗装による手入れの対象となるものは新設時に無塗装品を用いて塗装仕上げとした場合と既塗装品であっても 使用製品の仕上げグレードの低い(古い)製品での物件、あるいは比較的経過年数の長いケースなどが該当します。窯業系サイディングボードの構成素材は主に木片・木質系素材や補強繊維などとセメント質系材料によって成り立っており、 長期間、雨水・湿気などからの水分を吸水することで素材のソリ・ゆがみなどの変形が起こったり、素材自体の膨張・腐食で局部的にボロボロに崩れてしまう劣化が認められます。 このような面は木材製品(木製の羽目板等)などとよく似ているところで状況に応じた手入れが必要となる点を持っています。
| おもな外装用窯業系ボード類の種別とサイディングボードへの応用 |
| 種別 |
構成 |
表面 |
表面強度 |
アルカリ度 |
乾燥 |
吸い込み |
サイディングボード
の系列 |
無塗装品
/単品素材 |
既塗装
/加工品 |
| 押し出し成形板 |
セメント 硅砂 補強繊維 |
平滑 |
強 |
高 |
早い |
小 |
繊維補強セメント板系 |
- |
あり |
| フレキシブルボード |
セメント 補強繊維 |
平滑 |
強 |
高 |
早い |
小 |
あり |
| ケイ酸カルシウム板 |
セメント 補強繊維
ケイ酸カルシウム |
平滑 |
弱 |
低 |
早い |
特大 |
繊維補強セメント・
ケイ酸カルシウム板系 |
あり |
| 木毛・木片セメント板 |
セメント 木毛 木片 |
粗い |
中 |
高 |
早い |
大 |
木繊維補強セメント板系 |
あり |
金属系サイディングボードのうち普及品の大半はアルミ・ステンレス材を加工した素地表面に既塗装を施された非鉄金属系製品がほとんどです。
リフォーム工事などで半永久的に手入れ不要などと称され施工、普及したものも多いようですが既塗装の工場生産品であっても塗装仕上げグレードが現在ほど進んでいない時代の製品では経年劣化による汚染と
既存塗膜の劣化によって非鉄金属素材であるアルミ・ステンレス素地に腐食箇所が発生(赤錆のような鉄錆ではなく点状の白サビ)するケースがあります。
旧来はこれらの非鉄金属製品への塗装は付着性に難点があるとして塗替えでの対応を避ける場合もありましたが近年、付着性・防食性能に優れ旧塗膜の存在する金
属面への塗布に適した弱溶剤エポキシ樹脂系の下塗塗料(錆止め塗料・プライマ)が普及してきたため、塗替えでの対応による手入れも比較的、容易となっていま
す。
窯業系・金属系サイディングへの塗装で重要な点は、いずれの場合も構成素材に適した下塗塗料の選定を含め、適切な下地処理がポイントです。
その上で仕上がりの美観と塗装後の耐侯性などを考慮する仕上げ塗り塗料の選択が大切になってきます。(写真は既塗装されているアルミサイディングの建物)