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木材の塗装 @
木材の塗装には仕上げ方によって不透明仕上げと透明仕上げがあります。
| 木材には細かな導管や年輪が存在しています | ||||
| ラワン | 集成材(タモ) | 松 | シナ(ベニヤ表面) | 杉 |
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不透明仕上げ
(内装・外装いずれにも摘要できます)
【木材は生き物です】
不透明仕上げは木地表面上に不透明な塗料を塗布して塗料の色に仕上げます。木地本来の風合いは塗料で塗りつぶされることで失われます。一般的なペンキ仕上げはこれに該当します。仕上がりの色調は上塗りの塗料の色で決定されます。(木材の種類や木地の仕上げ方および塗り数や塗料の選択によっては導管や年輪を模様として残すことも可)
不透明仕上げは日光を塗膜が遮断し木材まで有害な紫外線を透過しにくいなど耐侯性に優れているので外装仕上げに向いています。また、下地である木地の状態にある程度左右されにくいので施工方法も割と容易です。
塗装が行われる木材は留意点として水分による呼吸=「収縮・膨張」が上げられます。木材は組成上、湿気・乾燥による微妙な体積変化が起こります。
特に外装材での使用部位は雨と日光あるいは寒暖、乾湿の影響下にありますので常に収縮・膨張を繰り返しています。木材表面へ施された塗膜は収縮・膨張に追従できなくなると剥れたりヒビ割れが発生し、そこから水分が吸収され木材の腐食を招くのです。劣化した塗膜は木質に対して硬いものですから特にこの現象が起きやすくなります。
これを防ぐには木材の動きに追従できる柔軟性をもった耐水性のある劣化しにくい塗料の使用が必要です。
従来から使用されているペンキ(略号=SOP)=長油性フタル酸樹脂塗料(アルキド樹脂系)は塗膜の「柔軟性・耐水性」の点を満たしており、外装木部に広く用いられてきました。ペンキは紫外線による劣化が割と早いことが難点でしたので最近はウレタン樹脂系の塗料を用いることが一般的になっています。2液型のウレタン樹脂系の塗料には塗膜により柔軟性を持たせるための「木部用」の硬化剤の使用を指定するメーカーもあります。
しかしながら外部においては経年後にやがて剥がれるのが木材へ塗布された塗膜の姿であり宿命です。
外装部位の木材面の塗装による塗膜保持は外装鉄部の塗膜保持よりも難しい面があるとされます。木材が前述したとおり呼吸による体積変化をする「生き物」である以上は避けられないことなのです。昨今主流の高性能塗料の使用は塗膜の劣化が起こりにくく光沢保持率が高い(艶引け)が従来のペンキより起こりにくい)という点に優れています。塗膜の劣化は剥がれの原因の一つでしかありませんが優れた塗料の使用がその要因を減らす目的にはなりますし長期に渡る美観の維持の点でも使用するメリットは十分あるでしょう。
木部不透明仕上げの手順例
ラワン材
木部用下塗材で下塗り
木部面は、そのまま仕上げ塗料を塗っても木目や導管による凹凸が目立ち、木地への塗料の吸い込みが大きく綺麗に仕上がりません。仕上げ塗りの発色を良くし、木部の吸い込み止め(目止め)に用いるのが木部用下塗塗料です。不透明仕上用の木部下塗塗料は水性・油性(弱・強溶剤形)各種があります。
下塗後
下塗面の素地調整
下塗乾燥後、凹凸やケバを耐水ペーパーで木地が露出しない程度に研磨する。素地面を平滑にしてより美しく仕上げる目的なので外装部位ではあまり行わないこともあるが内装などのデリケートな部位には入念に行い状況により下塗工程から繰り返し行います。
不透明仕上げ
仕上げ塗り
不透明仕上げに使用できる木部用上塗り塗料にはラッカー・合成樹脂系・ウレタン樹脂系塗料など種類も豊富です。材料コスト・作業性・乾燥性・耐久性(耐侯性)・意匠性など選択肢は色々あります。ほとんどの場合艶あり仕上げとなる塗料での施工が多く必要に応じて艶調整品もしくは艶消し用の添加剤(フラットベース)なども用いられます。
塗り替え塗装時の施工手順例(外装木部面)
施工前
素地調整
塗替え塗装時では皮スキなどを用いてハガレかかっている劣化塗膜を取り除き、塗料の密着を確保するために既存塗装面の表面を研磨して目粗しを行います。ゴミ・ホコリや付着物などの汚れは取り除いて清浄な面とします。損傷箇所へのヒビ割れや穴埋めはパテやコーキングなどを状況に応じて使い分けて補修します。
下塗り
木部用下塗り塗料の塗布
塗替え時の下塗は新設時と異なり、既存塗膜が存在しています。木部用下塗塗料は主に下地の木材面が露出している部位を重点的に塗布します。木地の吸い込み量が多い部位は乾燥後に再度塗布します。
仕上がり
仕上げ塗り
仕上げ塗りは2回に渡って行いますが下塗塗料を既存塗装面全体に塗布する施工方法もあって、仕上げ塗りに用いる塗料が乾燥の遅いペンキ(長油性フタル酸樹脂塗料)などの場合に行われます。この方法は木部用下塗材の素地が既存塗膜であるので厳密な密着性の点では劣ります。
塗替え塗装で仕上げに用いる塗料がウレタン樹脂系塗料などでの施工ならば、それを2回塗り仕上げした方が付着性の点でも耐久性(耐侯性)の面でも勝ります。
(写真の例ではその方法で行っています。)
外装木部(木造住宅羽目板)の塗替え例
施工前
施工後
施工前
木部用下塗白を塗布
施工後
施工後
木材面における合成樹脂塗料(アルキド樹脂系)とウレタン樹脂系塗料の比較
比較用テストサンプルの作成
テストサンプルは破風板などに使用されるラワン材の板を用いて木部用下塗白を塗布後、仕上げ塗り塗料として、中心から合成樹脂系塗料・ウレタン樹脂系塗料(弾性硬化剤使用)を左右に塗り分けた。
希釈率約10%で2回塗り仕上げで作成
テストサンプル
ラワン材の板
木部用下塗白を塗布
弾性硬化剤
仕上げ塗り塗料塗布
合成樹脂系塗料 (関西ペイント SDキング)
カラーバリエーションは、チョコレート・カーキー・コーヒーブラウンの三色で、木造住宅の破風板、戸袋、雨戸などの定番色。刷毛さばきなどの作業性は極めて良好。耐侯性・乾燥性に難があり、やや時代遅れの感が。
いわゆるペンキ=SOPです。
ウレタン樹脂系塗料
低汚染形セラミック変性ターペン可溶ウレタン樹脂塗料(関西ペイント セラMレタン)
外壁のほか、SOP塗り(旧来からあるペンキ・アクリル系)を施していた木部・鉄部面にも幅広く使え、かぶり(肉もち)・仕上り感(高光沢)も良好。弱溶剤2液型
2004年5月設置
このようにして放置した
資材置き場の塀
(南向きで日当たり良好な位置)
2005年10月現状
放置経過後のようす
塗料塗布直後の外観上の差は等く、両者とも光沢(艶)が素晴らしいものでした。
合成樹脂系の方は3ヶ月を経過した頃より徐々に光沢が減り始め、やがて5ヶ月経過時点では完全に艶消し状態になってしまいました。一方、ウレタン樹脂系塗料を塗布した面の艶引けの進行は穏やかで18ヶ月以上経過した時点でも光沢が確認できました。また密着性の点では端部、小口面で合成樹脂系の方は剥離がかなり認められますがウレタン樹脂系の方は発生していません
2006年1月現状
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