|
|
|
|
|
|
 |
 |
作業に入る前に、ある程度吟味した所、天板は木製ではなくパーチクルボード製(おがくずなどを練り固めた圧縮板)で、塗装が剥げ、水を含んで膨らんだ箇所
が点々とあります。この現象は外壁に使用されるサイディングボードの劣化と同様で、表面の塗装面が劣化、損傷して起こるもので素材自体は水に極めて弱いと
いう点があるのです。放って置くと腐食してボロボロと崩れてしまいます。幸い、劣化度は表層の軽微なものでしたので予定通り、塗装作業に入りました。
|
 |
 |
各パーツごとに分解して旧塗膜を全面剥離する。(木地や既存塗装の種類、状態を知る手ががりとなる)
天板は、全面剥離の後、脆弱下地用のエポキシシーラーを全体に含ませるように2回塗布する。これは劣化したサイディングボードへの処置と同様で素地固めに
よる保護と次に塗る下塗り塗料との密着を高める効果がある。
|
 |
天板剥離作業の様子 吸水により膨れが発生した部分を塗膜と共に削り除く。
電動ランダムアクションサンダーのサンドペーパーは80番から行い、120番、180番、240番と順に上げて行き320番で仕上げる。
|
 |
脚部等の剥離作業の様子
入り隅や細部はデルタサンダーや手作業で行う。
|
脚部 |
 |
下塗工程にサフェーサーを吹付けにより塗装する。
サフェーサーは、木地の表面の導管や細かい傷・凹凸を埋めて(目止め)、次工程のペーパーがけの研ぎ易さに優れる上、仕上げ塗料との密着向上と塗膜の肉持ち感を与えます
乾燥後、ペーパーがけをしてから前後3回に分けて吹く
|
温風低圧塗装機 |
 |
 |
サフェーサー乾燥後、ペーパーがけ(400番使用)を行い表面を平滑に研ぎ出す。
仕上げ塗りに備えて表面の研ぎ粉を払い落として清浄な面にしておく。
|
 |
仕上げ塗りの色はお客様の希望でホワイト一色。日塗工見本帳(日本塗料工業会)のN−93で調色
仕上げ塗料は耐衝撃性に優れるウレタン樹脂塗料を使い、3回ほどに分けて吹きつけた。
|
PG‐80V |
 |
仕上げ材---純ウレタン塗料(関西ペイント PG‐80V)
本来は自動車用の仕上げ塗料。2液強溶剤形(ウレタンシンナー)で自動車板金では普通に使われる。木部・家具の不透明仕上げにも使用可能で、2液弱溶剤形
の建築用ウレタン塗料よりも樹脂の架橋密度は高く耐久性・強度は優れる。自動車に使われることでも分かるように塗膜の密着度と振動や曲げに対する強度(可
とう性、屈曲性)は強い。主剤・硬化剤の混合比は重量比で10対1
|
 |
木工・家具の塗料の選択について
木工家具等は仕上げ方によって透明仕上・不透明仕上げの二つに分かれますが今回のケースでは不透明仕上げを行いました。
不透明仕上げ(=塗りつぶし)の塗料はペンキ=合成樹脂調合ペイント、アクリルラッカーエナメルのほか、水性エナメル塗料仕上げなどもあります。
ペンキですと乾燥時間が遅く、仕上がりもボッテリとしてますし化粧仕上げで行う塗装後のコンパウンドがけなどの作業には向きません。
ラッカーエナメルは、繊維素塗料といい乾燥時間が早くて光沢が良いのが長所です。溶剤にアクリル樹脂系の顔料成分などを溶解させてあり、溶剤の揮発乾燥に
よって顔料・樹脂分が残ることで塗膜を形成する塗料です。塗膜が硬いので衝撃に弱く(割れ易い)密着度も劣ります。
これらの塗料は1液型で手に入り易いうえ、色彩も調色し易いので一般の方には扱い易い塗料と言えます。特にラッカー仕上げは各工程と塗装後の処理を丁寧に
行うとウレタン塗装化粧仕上げの場合と見分けが付かない程の美しい仕上がりが得られます。
但し直射日光(=紫外線)や雨の影響を受けにくい室内での使用を前提としている家具類とはいえ、やはり耐久性(耐衝撃性)などの面から2液型ウレタン塗料
が優れているのは言うまでもありません。
|
 |
 |
吹付けガンの手入れ
ガンは精密部品の集合体なので使用後の手入れ(分解洗浄)は欠かせません。特に2液形塗料使用後は入念に行わないとノズルや流路で固化した塗料は溶剤でも
再溶解せず、オシャカになってしまいます。
|
 |
仕上げ塗料吹付け後、一昼夜放置して完全乾燥させてから天板の鏡面仕上げ作業を行う。
始めに耐水ペーパー(1200番)で水砥ぎをして塗装面の吹き肌を調整する。この段階で均一な平面を出しておく。
電動ポリッシャでコンパウンド(研磨剤)がけをする。コンパウンドの粒度は細目から使い、極細目で鏡面に仕上げる。
天板以外の各部は塗装面の不具合をチェックしてから、組立て作業に入る。引き出しの出し入れ具合等を点検する。
最後にワックスがけを行って完成した。
|
コンパウンド各種
 |
 |
 |
鏡面に仕上げた天板 |
 |
 |
 |
|
|
|
|
|
|
|
|
ここで手掛けた机は、高級家具の類ではなく新しく購入したほうがよいのでは?と思わせる品でした。
しかし、持ち主であるお客様には数々の思い出や愛着が込められているに違いません。 さらに永きに渡って使い続けていただけるようにとの願いを込めて作業しました。ウレタン塗料を用いたのも、その点の配慮から使いました。
基本的な仕様(色、仕上げ)については事前に打ち合わせてある通りに行っています。
|
|
|
|
|
|
主な工程 |
@ |
各部分解 |
A |
旧塗膜剥離・木地磨き |
B |
天板下地固め(エポキシシーラー塗布) |
C |
マスキング |
D |
サフェーサー吹付け(全パーツ) |
E |
ペーパーがけ(空砥ぎ) |
F |
ウレタン塗料吹付け |
G |
天板ペーパーがけ(水砥ぎ) |
H |
天板コンパウンドがけ(バフがけ) |
I |
組み立て |
J |
ワックスがけ・完成 |
|
 |
 |
 |
|
|
|
|
|
|
 |
 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|